山菜 カタクリ
ここ東北では、カタクリはこごみやうどの後に出てくる比較的遅咲きの花です。
山の雪もほとんど解けて、冬枯れの色合いのなかに緑がぽつぽつと混じるようになる頃に、山に分け入ると辺りはまだ空気も冷たく紫の霞がかかったような雰囲気になっています。

これを私たち山を愛する者たちは「山が笑っている」と表現しますが、これから先まだゼンマイやワラビなどの山菜をたくさん収穫できるとほくそ笑みながら、まさにルンルン気分で山を縦横無尽に駆け回るのです。
カタクリだけを求めて山菜とりに出かけることはまずありませんが、ほかの山菜を摘みながらカタクリの群落に遭遇することは何度もあります。
紫色のスマートなラッパのような花を下に向けてうつむき加減にたたずむカタクリの様は、恋に戸惑う乙女を見ているような感じがしてとてもいじらしいものです。

カタクリの花はすべすべしていてよく水をはじきますが、まだ朝が早いころは花と葉の間に水滴がついていて、日の光を浴びながら輝いている様子はとても清楚な印象を与えます。
カタクリは山菜としても利用できるので、たくさん自生しているところに遭遇したら、山からすこしおすそ分けをしてもらいましょう。
カタクリは球根で育ちますが、球根は土のなか深くに埋まっているため、例え移植べらがあっても掘り返すことは非常に困難です。

また、数も少なく非常に貴重な山野草になってしまいますから、その意味でも球根ごと持ち帰るのはお勧めできません。

地上に出ている部分だけを持ち帰るようにしましょう。
4人くらいでおひたしなどで召し上がるのであれば、片手で一つかみほどの量があれば十分だと思います。

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